2023年第8週
~インフルエンザ、感染性胃腸炎、流行性耳下腺炎、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎~
2023年03月03日
今週の注目感染症
2023年第8週(2月20日~2月26日)
●インフルエンザ
全県で罹患数418、定点当たり3.01の患者発生あり、前週の0.93倍とわずかに減少したが、東部及び中部地区は1.02、1.04倍と増加 、西部地区のみ0.79倍と減少した。
定点当たり東部地区で2.72、中部地区で3.12、西部地区で3.21の発生あり。
西部地区の減少著しく、3地区の発生は平準化している。保健所別では御殿場HCが前週比0.985倍と減少したものの、依然13.50で注意報レベルを維持している。
また、熱海HCは0.17で前週から著しく減少し、流行の指標を下回った。
●感染性胃腸炎
全県で罹患数650、定点当たり7.30の患者発生あり、前週の0.81倍と大きく減少した。
定点当たり東部地区で9.53、中部地区で6.00、西部地区で6.10の患者発生、3地区全てで0.78、0.81、0.86倍と減少したが、保健所管内では御殿場HC(22.50)が前週比0.89倍と減少したものの県内唯一警報レベルを継続している。
●流行性耳下腺炎
全県で罹患数5、定点当たり0.06の患者発生あり、前週の3倍に増加し、3地区全てで前週より増加となった。
定点当たり東部地区で0.06、中部地区で0.04、西部地区で0.07の患者が発生した。R3年同期より患者発生は多い。
全国で警報・注意報レベルの都道府県はないが、本県でこのまま増加傾向が続くか注視が必要。
●A群溶血性レンサ球菌咽頭炎
全県で罹患数22、定点当たり0.25の患者発生で前週の1.25倍と増加した。
地区別では東部及び中部地区が増加、西部地区は前週と変化なし。
定点当たり東部地区で0.13、中部地区で0.37、西部地区で0.27の患者発生あり、東部地区で1.44倍、中部地区で1.42倍と増加率はほぼ同値。
全国では京都府、福岡県、長崎県が警報レベルの保健所を有している。
・風疹、麻疹とも患者発生なし。
・患者発生がないのは伝染性紅斑、ヘルパンギーナ、マイコプラズマ及びロタウイルスによる感染性胃腸炎の4疾患でヘルパンギーナが追加。
・全国のインフルエンザの発生は11.32で前週の0.90倍と減少したが、 41都道府県が注意報レベル、20都道府県が警報レベルに達しており、流行状況は横ばいといえる。
近隣1都5県では注意報レベルに達したのは神奈川県(12.99)と長野県(11.07)で、東京都(8.53)は注意報レベルを脱し、愛知県(8.08)、山梨県(3.37)、岐阜県(3.08)は注意報レベルに至っていない。
本県東に接する神奈川県の動向が感染拡大に影響を及ぼす可能性には注視が必要だが、全体的に動向は落ち着いている。
・第8週に定点当たり患者報告数の多かった疾病は、順に1)感染性胃腸炎、2)インフルエンザ、3)咽頭結膜熱、4)RSウイルス感染症、5)A群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、他に水痘及び流行性耳下腺炎の報告数が増加した。
・全国では、インフルエンザの他、咽頭結膜熱(警報:2)、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(警報:3)、感染性胃腸炎(本県を含め警報:18)、水痘(警報:1, 注意報:3)、急性出血性結膜炎(警報:2)が警報又は注意報レベル保健所を有している。
水痘(注意報)を除き前週より減少して、定点把握疾病の流行は落ち着いている。
【静岡県感染症情報センターより参照】
(令和5年3月3日更新)